私たち、政略結婚しています。
立ち上がると若干頭がクラッときた。額を押さえながら歩き部屋を出た。
客間からリビングまでの距離がもどかしい。壁につかまりながら歩く。
「くそっ…あちっ」
リビングから克哉の声がした。
そっと覗くと点てたコーヒーをカップに移しているところだった。
怒りからか普段は私よりも器用な彼の手元がおぼつかない。
「……私にも、くれる?」
「佐奈…」
声をかけると一瞬驚いた顔をしたが、すぐに眉をしかめた。
「おとなしく寝てろ」
サッと視線を逸らす。
「いや。…じゃあ一緒に寝てよ」
「頼む相手が違うんじゃないか?」