俺様天使と小悪魔ちゃん

急変




その間も、どんどんイサヤの顔色が悪くなる。

「気分が悪いの!?」

背中をそっとさすりながらそう聞いた時だった。

「ぐっ…」

苦しそうな声が漏れたかと思うと、イサヤの指の隙間から鮮血が滴り落ち始めた。

「イサヤ少尉!!」
「イサヤさま!」

周りから悲鳴やら叫び声やらが聞こえてくるのを私はどこか遠くで聞いていた。

なんで?
さっきまで元気だったじゃない。

悪魔のお姉様とイチャイチャして、天使のお兄さんと盛り上がって、他にもいろんな天使や悪魔が真っ赤な顔をして声をかけてきたり、イサヤの腕にしなだれかかってきたり…。

そのどれにもイヤミなくらい爽やかな笑顔で返してたじゃない。

なのになんで?


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