チェンジ type R
 やはり、私の考えは概ね当たっているようだ。

 心の中の呟きのようなものが……口に出さなくても隼人くんには聞こえているようだ。
 まあ、隼人くんには口に出しているか否かの区別がついていないようだけど。
 これは……便利なような不便なような。
 口に出さなくても意思の疎通が出来るということは便利だ。

 しかし――迂闊なことは考えられないぞ。

 こうやって考えることが……どの部分が心の呟きとなって隼人くんに聞こえるか分かったものではない。
 これは厄介なことだ。
 ふっと思ったことが隼人くんに聞こえた場合、私には隼人くんが言っている意味が分からないという状況も発生するのではないか?

 しかも、部屋からここまでの様子を鑑みるに、私の心の呟きまで含めた言葉は隼人くんには常時聞こえていても、隼人くんが話す声は――どうやらこうやって隼人くんの姿が映っている時にしか私に聞こえないようだ。

 これは――非常に不便な……。
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