チェンジ type R
 いや、そんな呆れたような表情で見なくても……。

 私にとっては全く見知らぬ土地なわけで。
 いかに近い駅に住んでるとは言っても、さすがに自分が用の無い駅の周辺の地理を理解してるワケもないわけで……。

 道に迷っても仕方ないじゃんね?

「し、仕方ないでしょ!? まるっきり知らない場所なんだもん!」

 さすがにバカにされた、と思い紅潮する顔を自認しながら隼人くんに言い返す。
 ……が、隼人くんの次の言葉に……私が唖然とするハメになる。

(だから、何で今さら道を尋ねてるわけ?)

 隼人くんの言葉の意図をイマイチ掴めず、何も返せない私を見ながら隼人くんがスッと指を細道の先にある曲がり角に向けた。

(あの角を曲がれば駅。 何で目的地の手前で休憩してんの?)

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