チェンジ type R
「え? あの……先なの?」

 いや、自分でも間抜けな話だとは思う。

 急がないといけない、って思い切り意気込んで家を出発して。
 近道だと思った道が思った以上に細く曲がりくねった道で。
 迷ったと思って途方に暮れて。

 立ち尽くしてしまた場所が――まさか目的地の手前だったとは。

 隼人くんは呆気にとられる私をまるで小動物でも見るような目で呆れながら眺めている。

――うう、そんな目で見ないで……。

(……本当に道に迷ってたのか?)

 『本当に信じられない』――そんな顔だ。
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