負け犬も歩けば愛をつかむ。

カーテンから差し込む日差しが眩しくて、ゆっくり瞼を押し上げる。

もう朝か……、今日は天気が良さそう。

……ん? 今何時?

枕元に置いてあったスマホを手に取り、時間を見てみると朝六時。



「……ぎゃー! もうこんな時間!?」



六時にはスルスに行って始めようと思ってたのに!

慌てて飛び起き、何から行動し始めようかとしばしあたふたする私。

とりあえずシャワーは浴びなきゃ、昨日汗をかいたままで気持ち悪い!

今日は人様の前に出るんだからきちんとメイクもしなきゃいけないけど、今そんな時間はないから休憩中になんとかしよう!


どたばたと着替えを持ってバスルームに向かう途中、そういえば身体の怠さや熱っぽさはだいぶ良くなってるな……と気付いた。

薬のおかげでもあるけど、それ以上に椎名さんの影響が大きいかな、なんて思う。

今日一日、頑張って乗り切ろう。まずはとにかく請求書!

急いでシャワーを浴び、普段は必要ないメイクの道具を持ってすぐさま家を飛び出した。


スルスに着いたのは六時四十分。

この時間はまだメルベイユの社員がいないから、裏口から入らなければいけない。

裏口の鍵を取り出そうと、歩きながらバッグの中を漁るけれど、いつも入れているポケットの中にもどこにも見当たらない。



「あれ? 昨日たしかここに……あっ!!」



しまった、鍵は昨日椎名さんに預けたままだった!

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