負け犬も歩けば愛をつかむ。
どうしよう!? ここへ来て最悪の事態が!

椎名さんに電話して鍵を持ってきてもらう? でも昨日“早く来るな”って言われてるわけだし……。


背中に冷や汗をかきつつハイスピードで頭を回転させていると、いつの間にか裏口についていた。

開いてるわけないよね……と思いながらも、試しにドアの取っ手に手を掛ける。すると。



「へ? ……開いた」



すんなり開いたドアに、すーっと不安がひいていく。

椎名さん、鍵閉め忘れたのかな? いや、彼に限ってそんなことはないわよね。

ということは、もう来てるの?


焦る気持ちは鼓動も足も早まらせ、すぐさま三階へ向かった。スルスに着くとここの鍵も開いている。

やっぱり椎名さんがもういるんだ。



「椎名さんっ!?」



勢い余って、ノックもせず休憩室のドアを開くと。



「あ」



ロッカーの前に立っていた椎名さんがこちらを振り向く。

彼はワイシャツのボタンをほぼ外し終わっていて、思いっきり着替えている最中だった。



「わぁぁ、ごめんなさい!!」



ギョッとした私は勢い良くドアを閉め、朝から目の当たりにしたセクシーシーンに、胸をドキドキさせて硬直する。

けれどすぐにドアが開かれ、クスクスと笑う椎名さんが現れた。

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