負け犬も歩けば愛をつかむ。
訳もわからず厨房へ走り込むと、食堂が見渡せる窓から、水野くんと一人の女性社員が何やら言い争っている様子が見える。
えぇ~、一体何だっていうの!?
「あ~千鶴さん!」
「どうしたの!?」
「なんかあの子が今日のひじきの白和えが気に入らなかったみたいで、文句を言ってるのを聞いた涼ちゃんが怒っちゃって……」
「えぇぇ?」
おたまを持ったままオロオロする真琴ちゃんから事情を聞いた私は、眉間に寄せたシワを濃くしてひとまず食堂へ出た。
野次馬となっている社員達が群がる中で、料理が置かれたカウンターを挟み、二人が言い合っている。
「アンタさぁ、白和え食べたことねーの?」
「ないわよ! こんなぐちゃぐちゃした汚らしいモノ」
「キタナラシイだぁ~!?」
「中の黒いのだってゴミとか虫みたいで超~気持ち悪いじゃない」
「ひじきも知らねーのかよ!? 日本人辞めちまえ!」
ぎゃーぎゃーと喚く勢いに若干怯みつつも、二人の間に割って入る。
「ちょっと水野くん、やめなさい!」
「ちづ! こいつ俺らが作った料理見て『何コレ、気持ち悪~い』って言ったんだぜ? 人として最低だろ!」
怒り心頭中の水野くんは、ツンとして腕組みをした、ふわふわの長い髪の毛の女性社員を指差す。
彼女は時々私達の間でも話題になっていた、帰国子女のお嬢様の菅原(スガワラ)さんだ。
これはまた厄介そうな……。
えぇ~、一体何だっていうの!?
「あ~千鶴さん!」
「どうしたの!?」
「なんかあの子が今日のひじきの白和えが気に入らなかったみたいで、文句を言ってるのを聞いた涼ちゃんが怒っちゃって……」
「えぇぇ?」
おたまを持ったままオロオロする真琴ちゃんから事情を聞いた私は、眉間に寄せたシワを濃くしてひとまず食堂へ出た。
野次馬となっている社員達が群がる中で、料理が置かれたカウンターを挟み、二人が言い合っている。
「アンタさぁ、白和え食べたことねーの?」
「ないわよ! こんなぐちゃぐちゃした汚らしいモノ」
「キタナラシイだぁ~!?」
「中の黒いのだってゴミとか虫みたいで超~気持ち悪いじゃない」
「ひじきも知らねーのかよ!? 日本人辞めちまえ!」
ぎゃーぎゃーと喚く勢いに若干怯みつつも、二人の間に割って入る。
「ちょっと水野くん、やめなさい!」
「ちづ! こいつ俺らが作った料理見て『何コレ、気持ち悪~い』って言ったんだぜ? 人として最低だろ!」
怒り心頭中の水野くんは、ツンとして腕組みをした、ふわふわの長い髪の毛の女性社員を指差す。
彼女は時々私達の間でも話題になっていた、帰国子女のお嬢様の菅原(スガワラ)さんだ。
これはまた厄介そうな……。