君想い【完】
「龍司が東龍と繋がりがあるのは知ってるよね?それで龍司から聞き出したかったみたで。」
「今もさりちゃんが佐倉先輩と関わってるのは知ってましたか?」
目を閉じて首を振る。
「あっこはもう龍司の彼女じゃないの。別れてるの。」
「私刺されたの。」
僕とゆかは頷いた。
姉貴から聞いていたから僕たちは知っている話だった。
「もしかしてお姉ちゃんから聞いた?龍司が純くんのお姉ちゃんにはお世話になってたみたいだね。龍司が薬に手を出してからは関わってないみたいだけど。私妊娠してさ、もちろん龍司の子。龍司なら結婚してもいいと思ったの。ずっと龍司しかいなかった。」
あっこ先輩は涙を流しながら、掛け布団の上からお腹をさすっていた。
ふと窓のそとを見ては、涙を目に溜めている。
「産みたいって言ったら、嫌だ。って言われてさ。龍司には迷惑かけないから、龍司の子を産ませてって言ったらね。気が付いたら病院だった。もう薬で駄目になってるの。あいつ。」
僕の横でゆかが声を押し殺して、肩を震わせて泣いていた。
こんな衝撃な話を聞いて、涙が出ない子はいないだろう。
きっとこの場に香代がいたら泣き叫んで、あっこ先輩に抱きついていただろう。
ゆかより香代の方が涙もろい。気性も激しい。
「中澤に龍司と関わらない方がいいよって伝えて。」
「分かりました。」
「私は東龍の人間が憎いよ。龍司を薬漬けにして、踊らせて。」
「さりちゃんもこの世で一番憎いのが東龍の人間なんです。」