君想い【完】
繋げた線を見直して、書いてあるキーワードを何度も読み返した。
「さりちゃん、麗、佐倉先輩、あっこ先輩、五神田、東龍会。この線がここに伸びて、ここにたどり着く。何だろう?何が抜けてるんだろう。」
ペンを回しながら、
整髪料でセットしてあった髪をかき回した。
手が整髪料でべたついた。
水泳部だった祥吾は部活ですぐに髪が崩れるから、
髪に整髪料を使ったことがないって言ってた話をふいに思い出した。
「確かに使えないよな。」
整髪料で少し光っている手を見つめながら、
今日会ったばかりの祥吾の事を思い出していた。
「祥吾?この関係の中に祥吾が足りないんだ。東龍会にやられたのは祥吾で、」
祥吾、という文字を書き入れ東龍会から線を延ばす。
「そういえば祥吾の妹はまだ見つかっていないんだよな。」
舞ちゃん、と書き入れ東龍会に線を延ばし、はてなマークを書いた。
何処にいるのか分からない。
もう2年も経つのに、
未だに行方不明だ。
祥吾の家の事情なら、
佐倉先輩が知っているかもしれない。
舞ちゃんの居場所も。
さりちゃんはそれを聞きたくて、
佐倉先輩から何かを聞き出そうとしている?
それなら話が合う。
でも祥吾の家が東龍会にやられたという事実をどこで聞いたのだろう。
「あ、麗だ。麗から聞いたんだ。それなら話が繋がる。」