*花は彼に恋をする*【完】
「…ああ、何だ?
玲花…話してくれないか?」
翔英さんは私の体をそっと離すと
首を傾げながら私を見つめた。
私は深呼吸を軽くしながら口を開いた。
「…実は私…『ハジメテ』で…。
誰にも抱かれた事…ないんです。」
「……はっ!?」
私の告白に彼は目を見開いた。
翔英さんは目を一瞬パチパチすると
「…『ハジメテ』って。
抱かれた事ないって…。
…だって…玲花は…。
デートしてた男がいたじゃないか!?
…俺は…玲花がきっと
そいつと…もう……って。」
と、驚きながら口を開いた。
その言葉を聞いて
私は首を横に振った。
この年齢まで
男性との行為がなかったって
ハッキリ話すのは恥ずかしいけど
私は意を決した。
「…確かに…付き合ってきた人に
何度も求められました。
男性なら自然な事だと思います。
キスはごめんなさい…受け入れました。
でも、それ以上を求められた時に…。
なぜか…黒瀬課長が…。
…翔英さんの顔が頭をよぎるんです。」
「…えっ、俺の顔が!?」
翔英さんは再び驚きながらも
「…とにかく、聞くよ。
続き…聞かせてくれ。」
と言って、話の続きを求めた。