*花は彼に恋をする*【完】

そんな余韻に浸る間もなく

課長は電話の向こうで口を開いた。

「…野田さん。
今日…昼休みに
企画開発の女子社員に
呼び止められたって聞いたけど
……大丈夫だったのか?」

「……えっ!?」

私は目を見開いた。

どうして?

その事をなぜ

……黒瀬課長が知ってるの!?

もしかして…赤羽が喋った!?


『…黒瀬課長には言わないで。』


そう約束してたのに…。

「…あの…その…。
ええ…大丈夫です。
でも……黒瀬課長。
どうしてその事を…?」

しどろもどろになりながら

あの男を若干疑いながら

疑問を感じていた私に

「…ああ、高崎から聞いたんだ。」

黒瀬課長が言った。

「…高崎課長代理がですか!?」

驚く私に

「…ああ、そうだ。」

そう言って彼は話を続けた。

「…元々高崎と企画開発の赤羽が
喋っていたところへ
東京広報の篠村さんが
血相を変えてやってきて
野田さんが女子社員に
呼び止められたと言ってきたらしい。』

「……えっ!?」

舞花ちゃんが?

「…そしたら赤羽までが顔色変えて
すぐに駆けつけに行ったと聞いたよ。」

その言葉につじつまが合った。






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