*花は彼に恋をする*【完】

ビルが建ち並ぶこの通りは

夜でもネオンやお店の照明で

眩しいくらい明るい。

いつも通り過ぎる度に

ここ何階建てだろう?と思うような

店舗とマンションが兼ねてある

ある有名なビルの前に

近づいて来た時だった。

そのビルの玄関先から

一組の男女が出てきたのが見えた。

スーツ姿の男性の半歩後ろを

パンツスーツ姿の女性が歩き

2人は笑いながら

何やら挨拶を交わしていた。

長身でガッチリとした

逞しい体格の男性と

パンツスーツが似合う

キャリアウーマン風の綺麗な女性。

絵になるくらいかっこいい

カップルみたいだなぁ…。

そうぼんやり考えながら

その男性の横顔がハッキリ見た時


………あっ!!


私は立ち止まって固まってしまった。


「……嘘。」


私は思わず呟いた。


あの顔とあの体格、間違いない…。

こんなに近くで見ているから

ハッキリと私の視界に入ったから

当然見間違うはずなんてない。

その男性は

東京出張へ出かけているはずの

黒瀬課長だったから…。



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