彼となら、   熱くなれる
「珠良、久保先生の方は変わりない?」

「ええ、奥様の体調も順調よ。」

「そうか、今月から本格的に忙しくなるから、週末は時間が取れないかもしれない。」

「ナイターがあるから?」

「そう、ナイターに出るスキーヤーは大抵飲んでいるんだ。パトロールの回数も増えるから君とはすれ違いになる。前もって言っておきたかった。」

「そうなの?」

「君がいつも朝早く帰っていくのを見送るのがつらい。僕に休みがないから君に迷惑ばかりかけるな、悪いと思っている。」

「いいの、私はしたいことしているの。敬吾さんと過ごせる時間に限りがあるから余計貴重に思うの。敬吾さんにとって私はどういう存在かしら?」

「珠良は僕にはもったいない女だ。そう思っている。」

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