雪恋ふ花 -Snow Drop-

春人は驚いて目をみはったが、すぐにぎゅっと珠を抱きしめると、夢中で唇を重ねていた。
小鳥がついばむようなキスを何度も繰り返し、珠の小さな唇を食べるように味わううちに、これまで抑えていた想いがあふれだす。

舌で唇をなぞると、珠がくすぐったそうに首をすくめた。
その姿にキスはどんどん深くなっていく。

珠を抱きしめたまま春人は、いつの間にか畳に倒れこんでいた。


「珠……」


かすれた声で呼ばれて、珠はゾクゾクした。
春人は、たぶんキスが上手い。
だんだん頭がぼーっとしてきて、体に力が入らなくて、珠はもう、あれこれ考えることを放棄した。


気がつくと、態勢が入れ替わっていた。
珠を畳に縫いつけるように、春人のキスが続く。

< 111 / 146 >

この作品をシェア

pagetop