雪恋ふ花 -Snow Drop-
真夜中、春人は人の気配にはっと目を覚ますと、ソファーの横に珠がじっと座っている。
「どうした?」
珠が黙って首をふる。
「おいで」
まだ、まどろんでいたせいもあって、春人はごく自然に珠を抱き寄せていた。
寝袋の上に珠をのせて、ラッコの親子みたいだなどと寝ぼけた頭で考えながら、寝袋のチャックを開けると、小柄な珠はすぽんと寝袋の中におさまった。
そして、春人はそのまま、眠りの世界へひきこまれた。