雪恋ふ花 -Snow Drop-
高速のサービスエリアで温かいうどんを食べて、珠は生き返った心地がしていた。
春人はあんまりしゃべらないが、それでも沈黙が苦痛ということはなかった。
車に戻ってからは、お互いの学生時代や友達のことなどを話した。
どんどん関西に近づいていく。
珠はこのままどこまでも春人と走り続けられたらと思っていた。
またしばらく走って、さっきから助手席がやたら静かだと思って見てみると、珠がこっくりこっくり居眠りを始めていた。
春人は暖房の温度を上げ、ラジオを切る。
次のサービスエリアで、助手席のシートを倒すと、バックシートから毛布を取ってかける。
珠は身じろぎもせずに、ぐっすり眠っていた。
春人も少し眠気を感じたので、仮眠することにした。
スキーに行く時は、常備している寝袋に体を包むとカイロを入れてチャックをしめた。
こうすると、暖房を切ってもぽかぽかと温かい。
ふと思い立ち、珠の毛布の下にもカイロを入れた。