雪恋ふ花 -Snow Drop-
午後のレッスンにも、珠はさっぱり身が入らなかった。
どうやって、賢の機嫌をなおせばいいかとそのことばかり考えていた。
それでもプロの指導によって、ほとんど転ばないようになっていた。
もう暴走することもないし、思った角度に曲がって、止まれる。
ここまでくれば、人様に迷惑をかけずにすむレベルだ。
レッスン終了時間に宿のあるゲレンデへ送り届けてもらうよう、インストラクターに頼んであった。
昨日は春人のガイドで帰った林道をインストラクターと滑って戻る。
途中のレンタル店で板を返して、宿に戻り、急いでお風呂に入って、荷物を整理していると、3人が戻ってきた。
賢の目を見て、まだ機嫌がなおっていないことを珠は悟った。