雪恋ふ花 -Snow Drop-

午後のレッスンにも、珠はさっぱり身が入らなかった。
どうやって、賢の機嫌をなおせばいいかとそのことばかり考えていた。

それでもプロの指導によって、ほとんど転ばないようになっていた。
もう暴走することもないし、思った角度に曲がって、止まれる。
ここまでくれば、人様に迷惑をかけずにすむレベルだ。

レッスン終了時間に宿のあるゲレンデへ送り届けてもらうよう、インストラクターに頼んであった。
昨日は春人のガイドで帰った林道をインストラクターと滑って戻る。

途中のレンタル店で板を返して、宿に戻り、急いでお風呂に入って、荷物を整理していると、3人が戻ってきた。
賢の目を見て、まだ機嫌がなおっていないことを珠は悟った。

< 45 / 181 >

この作品をシェア

pagetop