雪恋ふ花 -Snow Drop-
「タマ、おまえ一人で帰れ」
「え、それどういうこと?」
「車に乗せる子、見つけたんだ」
「え……?」
「そういうことだから。おまえ、あの親切な野郎にでも送ってもらえば?」
珠は顔から血の気が引いていくのを感じていた。
どうやって帰ればいい?
慌ててフロントへ飛んでいくと、宿の人に最寄り駅までの交通手段を確認する。
幸いにも長野駅までバスが出ているらしい。
その時刻表も教えてもらって、慌てて荷物をまとめて、バス停に向かう。
姫花と昌典が間に入ろうとしてくれたが、車の定員は4人。
そして賢が乗せると約束した女の子は、もう宿まで来ているのだ。
たとえ珠が乗れたとしても、今度はその子が帰れなくなってしまう。