雪恋ふ花 -Snow Drop-
「パラレルって、どうやったらできるようになるのかな」
「まあ、そのうち、自然に? 気づいたら、足閉じてたけどな」
「パラレル滑れるようになって、賢ちゃんと一緒に滑りたいから……」
こんな目にあっても、賢ちゃんかと春人はげんなりした。
「まあ、頑張れば? 目標あると、上達も早いかもな」
「だったらいいんだけど……。あ、あの宿にはどのくらい、泊まってるの?」
「そうだな、小学生の頃からだから、もう20年近くになるかな」
「常連さんなんだね」
「まあな。あそこは料理がうまいから、気に入ってるんだ」
「ほんとにおいしかった。よくあんな値段でできるよね。おもてなしの心を感じた」
「そうそう。クラシック聴きながら、朝食ってのもいいしな。今度また行く機会があったら、蔵でコーヒー飲んでみて。ほんとにうまいから」
「蔵で?」
「そう、観光雑誌にも載る、けっこう有名なカフェなんだ」
二人はとりとめない会話を続けた。