隠れ俺様は壁ドンで愛を囁く
「俺の好きな奴を“なんか”呼ばわりすんじゃねぇ」

その言葉に思わず、いつのまにか俯かせていた顔をあげる。

すると、真っ直ぐな視線と自分のが絡み合う。

強すぎるその瞳にクラクラする。

「お前は人の中身を見てやれる。
冷静に周りを見れる。
こうやってお前に触れれば…」

そこまで言うと、先輩は私の頬に手を伸ばし、そっと指先でそこに触れる。

ピクッと身体が跳ね、思わず片目をつぶった。

スルスルと撫でられるその感触に戸惑ってしまう。

「そういう、かわいい反応をしてくれる」

「せんぱ…っ」

「こんなに良いところがあんのに、自分を卑下にすんじゃねぇよ…」
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