小咄
「……男の家に泊まって、何もないと思うのか?」
どさ、と深成の横に座り直し、真砂は深成を見た。
深成は、じ、と真砂を見る。
ぴか、と稲妻が光り、びくん、と深成の身体が震えた。
真砂は黙ったまま、少し上体を倒すように、深成に顔を近付ける。
目を見開いている深成と、鼻先が触れそうになったとき、いきなり大きな雷鳴が響いた。
「んにゃあっ!」
叫び様、深成は真砂に抱き付いた。
甘やかな雰囲気などない。
心底恐怖に震えた子犬さながら、真砂の胸にへばりついて、ぶるぶると震えている。
しばらくしてから、真砂は思い切り大きくため息をついた。
「……寝るぞ」
深成を引き剥がして立ち上がろうとするが、深成は真砂のTシャツをがっちりと握って離さない。
「やだっ!! 一人にしないでよぅっ」
「とはいっても、お前にその気がないのだろ」
「その気って何さーっ」
必死の形相で縋り付く深成に、真砂は微妙な表情になった。
可愛いのだが、どうもこの状態の深成に欲情するか、と言われると微妙だ。
さほど自分が固いとも思わないが、こいつ相手だと本当に何もしないで一晩過ごすことも可能だな、と思い、実際そういうことがあったことを思い出す。
「わかったわかった。でもとりあえず、俺は眠い。寝たいが、ベッドは当然一つだ。俺は男で、お前は一応女だろ。どうする?」
投げやりに、だが具体的に言ってみる。
が、残念ながら、深成は別のところに反応した。
「一応って何さーっ! わらわ、ちゃんと女の子だもんっ」
真砂の眉間の皺が深くなる。
「それで? お前はどこで寝る気なんだ」
「そ、そりゃお邪魔しちゃってるんだから、このソファでもいいんだけど。んでも、今は雷が鳴ってるし、そもそも一人で寝るんだったら、課長のお家に来た意味ないじゃん」
「その通り。普通は、男の家に泊まるっつーことは、一緒に寝ること前提だ」
「良かったぁ」
途端に、ぱ、と深成の顔が輝く。
話が通じているようにみえて、真砂の言っている意味は、全く通じていない。
あくまで雷が怖いから、一緒に寝て欲しいだけだ。
何歳だよっ! と心の中で怒鳴りつつ、真砂は大あくびをした。
「お前はほんとに無防備だ。そんな簡単に、男に引っ付くんじゃねぇよ」
ぶつぶつ言いながら、寝室に向かう。
その後ろを、真砂のTシャツを握ったまま、深成がついてくる。
どさ、と深成の横に座り直し、真砂は深成を見た。
深成は、じ、と真砂を見る。
ぴか、と稲妻が光り、びくん、と深成の身体が震えた。
真砂は黙ったまま、少し上体を倒すように、深成に顔を近付ける。
目を見開いている深成と、鼻先が触れそうになったとき、いきなり大きな雷鳴が響いた。
「んにゃあっ!」
叫び様、深成は真砂に抱き付いた。
甘やかな雰囲気などない。
心底恐怖に震えた子犬さながら、真砂の胸にへばりついて、ぶるぶると震えている。
しばらくしてから、真砂は思い切り大きくため息をついた。
「……寝るぞ」
深成を引き剥がして立ち上がろうとするが、深成は真砂のTシャツをがっちりと握って離さない。
「やだっ!! 一人にしないでよぅっ」
「とはいっても、お前にその気がないのだろ」
「その気って何さーっ」
必死の形相で縋り付く深成に、真砂は微妙な表情になった。
可愛いのだが、どうもこの状態の深成に欲情するか、と言われると微妙だ。
さほど自分が固いとも思わないが、こいつ相手だと本当に何もしないで一晩過ごすことも可能だな、と思い、実際そういうことがあったことを思い出す。
「わかったわかった。でもとりあえず、俺は眠い。寝たいが、ベッドは当然一つだ。俺は男で、お前は一応女だろ。どうする?」
投げやりに、だが具体的に言ってみる。
が、残念ながら、深成は別のところに反応した。
「一応って何さーっ! わらわ、ちゃんと女の子だもんっ」
真砂の眉間の皺が深くなる。
「それで? お前はどこで寝る気なんだ」
「そ、そりゃお邪魔しちゃってるんだから、このソファでもいいんだけど。んでも、今は雷が鳴ってるし、そもそも一人で寝るんだったら、課長のお家に来た意味ないじゃん」
「その通り。普通は、男の家に泊まるっつーことは、一緒に寝ること前提だ」
「良かったぁ」
途端に、ぱ、と深成の顔が輝く。
話が通じているようにみえて、真砂の言っている意味は、全く通じていない。
あくまで雷が怖いから、一緒に寝て欲しいだけだ。
何歳だよっ! と心の中で怒鳴りつつ、真砂は大あくびをした。
「お前はほんとに無防備だ。そんな簡単に、男に引っ付くんじゃねぇよ」
ぶつぶつ言いながら、寝室に向かう。
その後ろを、真砂のTシャツを握ったまま、深成がついてくる。