小咄
「……兄ちゃん、六郎兄ちゃん」
まどろみから、深成の声が六郎を覚醒させつつある。
だが薬の影響か、なかなかはっきりと目が開かない。
「何で起こすんだよ。そのまま寝かしときゃいいだろ」
「だって、ここじゃお布団もないし。風邪引いてんのに、可哀想じゃん」
ぼんやりとした頭に、真砂と深成の会話が聞こえる。
そしてすぐに、ゆすゆすと軽く身体を揺すられた。
ゆっくりと目を開くと、深成が覗き込んでいる。
「あ、起きた? 今日はもう寝ちゃうでしょ? でもここじゃますます悪くなっちゃうから、ささ、ベッドに移動して」
「あ、うん……」
のろのろと起き上がると、いつの間にやら真砂も風呂に入ったらしい。
時計を見ると、すでに食事から三時間ほど経っている。
「じゃあ六郎兄ちゃん、どうぞ」
深成が言いながら、自分の部屋のドアを開ける。
え、と六郎が固まった。
「え、い、いや。いやいや、いくら何でも、一緒に寝るのは……」
前はこの三人で一緒に寝る羽目になったが、それは真砂の部屋での話だ。
深成のベッドは小さい。
そこで一緒に寝るとなると、それこそぴったり引っ付かねばならない。
だが他のメンバーの部屋を勝手に使うわけにもいかないし、そもそも皆、鍵をかけている。
よってやはり、ベッドは二つしかないわけだ。
狼狽える六郎に、深成は、うん、と軽く頷いた。
「そうだよね。六郎兄ちゃん、熱があるから、一緒に寝るのはしんどいよね。でも大丈夫」
にこりと笑う。
大丈夫、とはどういうことか。
深成はそんなこと、気にしないということだろうか。
そんなに自分と一緒に寝たいのだろうか、と焦る反面、そこまで自分を想ってくれているのかと嬉しく思う。
だが、そんな六郎の考えは、深成の言葉で木端微塵に粉砕された。
「わらわは、真砂と寝るから」
再び六郎フリーズ。
見ると、真砂も少し目を見開いている。
ということは、真砂が誘ったわけではないのだ。
今初めて、深成が口にした案だろう。
「ね、いいでしょ?」
くい、と真砂の袖を引っ張り、深成が言う。
「……まぁ、いいけどな」
「良かった。じゃ、うさちゃん持ってくるから」
再びにこ、と笑い、深成がぬいぐるみを取りに、自分の部屋に入っていく。
六郎は、はた、と我に返った。
まどろみから、深成の声が六郎を覚醒させつつある。
だが薬の影響か、なかなかはっきりと目が開かない。
「何で起こすんだよ。そのまま寝かしときゃいいだろ」
「だって、ここじゃお布団もないし。風邪引いてんのに、可哀想じゃん」
ぼんやりとした頭に、真砂と深成の会話が聞こえる。
そしてすぐに、ゆすゆすと軽く身体を揺すられた。
ゆっくりと目を開くと、深成が覗き込んでいる。
「あ、起きた? 今日はもう寝ちゃうでしょ? でもここじゃますます悪くなっちゃうから、ささ、ベッドに移動して」
「あ、うん……」
のろのろと起き上がると、いつの間にやら真砂も風呂に入ったらしい。
時計を見ると、すでに食事から三時間ほど経っている。
「じゃあ六郎兄ちゃん、どうぞ」
深成が言いながら、自分の部屋のドアを開ける。
え、と六郎が固まった。
「え、い、いや。いやいや、いくら何でも、一緒に寝るのは……」
前はこの三人で一緒に寝る羽目になったが、それは真砂の部屋での話だ。
深成のベッドは小さい。
そこで一緒に寝るとなると、それこそぴったり引っ付かねばならない。
だが他のメンバーの部屋を勝手に使うわけにもいかないし、そもそも皆、鍵をかけている。
よってやはり、ベッドは二つしかないわけだ。
狼狽える六郎に、深成は、うん、と軽く頷いた。
「そうだよね。六郎兄ちゃん、熱があるから、一緒に寝るのはしんどいよね。でも大丈夫」
にこりと笑う。
大丈夫、とはどういうことか。
深成はそんなこと、気にしないということだろうか。
そんなに自分と一緒に寝たいのだろうか、と焦る反面、そこまで自分を想ってくれているのかと嬉しく思う。
だが、そんな六郎の考えは、深成の言葉で木端微塵に粉砕された。
「わらわは、真砂と寝るから」
再び六郎フリーズ。
見ると、真砂も少し目を見開いている。
ということは、真砂が誘ったわけではないのだ。
今初めて、深成が口にした案だろう。
「ね、いいでしょ?」
くい、と真砂の袖を引っ張り、深成が言う。
「……まぁ、いいけどな」
「良かった。じゃ、うさちゃん持ってくるから」
再びにこ、と笑い、深成がぬいぐるみを取りに、自分の部屋に入っていく。
六郎は、はた、と我に返った。