傷ついてもいい
「私、相澤くんのことが心配で…。あ、姉みたいな気持ちで、ですけど」

柚香は、恥ずかしそうに言った。

佳奈は、自分と同じ匂いを柚香に感じる。

きっと、好きなんだろうな…

漠然とした確信。

けれど、直己には、自分よりこの人が相応しいのかもしれない。

「私も同じです。相澤くん、凄くなついてくれて。よく大学で話してました」

「そうなんですか」

柚香は、ニコリと笑った。

「歳上に好かれるタイプ なのかな」

佳奈が言うと「ほんとにね」と柚香も同意した。

「こんなこと、始めてあった方に言うのも変なんだけど」

柚香は、急に声をひそめる。


「今迄、誰にも話したことないんだけど、私、一度だけ相澤くんのこと襲ったことあるの」


「え?おそっ…?」

佳奈は、驚いて、慌てて声をひそめる。

「うん、彼、あんまりお酒強くなくて。それで、何かの飲み会の帰りに酔ってわかんなくなった相澤くんを私の部屋に連れて帰って」


「そ、そうなんだ…」

そういえば、よく酔っぱらって帰ってきていた。
けれど、また大胆だな…と佳奈は、感心する。


「でも、柚香さんみたいに綺麗な人だったら、酔ってなくても付き合えるんじゃないの?」

佳奈は、単純にそう思った。


「ダメ、ダメ!案外ガードが硬いんだもん。それに、なんか想ってる人がいるみたい」


「へ、へえ…」


佳奈は、今迄知らなかった直己の話を興味深々で聞いた。

はじめて会ったとは思えないほど、柚香は話しやすかった。



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