傷ついてもいい
そのまま前日から実家に戻り、佳奈は家族4人で過ごした。

「そうそう!あの時、由奈ベソかいてねえ、お母さん」

「おかしかったわよね」

割に昔から仲の良い家族だったので、思い出話は尽きることがなかった。

唯一父親だけは、寂しそうで「こんなに早く嫁に行くことないだろう」といつまでも拗ねていた。

「まだ私がいるじゃない」と佳奈が言うと「お前は早く行け」と言われて、家族で爆笑になった。


いい家族だよな…と佳奈は感じていた。

本当に普通の。当たり前の。

直己は、こんな風に家族と話したことがあったんだろうか。

直己が求めていたのは、こんな家族だったのかもしれない。

だから、佳奈と暮らしたいと思ってくれたのかもしれない。

直己の気持ちが少しわかった気がした。




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