傷ついてもいい
結婚式はそれから二週間後の日曜日だった。

「せめて二次会だけでも参加したかったなあ」

斎藤は、前日からたまたま韓国に1週間の出張になってしまった。佳奈は、送りがてら下に降りて、マンションの前で軽く立ち話をする。

「ほんと、由奈に紹介したかったんだけど」

「まあ、この出張が済んだら落ち着くから、また二人でゆっくり遊びに行かせてもらおうか」

「そうだね」

じゃあ、と軽く手をあげて、斎藤はスーツケースを片手に駅に向かって行った。

背筋の伸びた後姿に少し見とれる。

「いってらっしゃい」

佳奈はなんだか誇らしい気持ちで斎藤に手を振った。

やっぱりかっこいいな…

仕事ができて優しくて、かっこよくて。

翔太って完璧な男だよなあ。

エレベーターで一人になり、佳奈はニヤニヤしてしまう。


チン、とエレベーターが5階に到着し、佳奈は我に返って顔を引き締めた。




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