傷ついてもいい
ビンゴ大会や二人への質問コーナーで盛り上がる中、佳奈は少し暑くなり、風にあたる為に外に出た。


…月が綺麗だなあ…

夜空にぽっかりと浮かび上がる上弦の月。

佳奈は、さっきからずっと見ている直己の背中を想っていた。

もう随分と長いこと眺めていた気がする。
二度と触れられない遠い背中。

好きで好きで苦しかったあの頃より、少し気持ちは落ち着いていた。

あの頃、少しだけ運命が重なった気がしていたけれど、本当は、なんの重なりもなかったのだ。

直己とは、最初から全く別の道だったんだ。

少ししんみりしていると背中から「佳奈さん」と声をかけられた。

「直己…」

振り返ると直己が立っていた。
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