傷ついてもいい
「俺さ、大学入ったばかりのころ、友達もいなくてさ、一人暮らしだったし、なんかもう孤独って感じでさ」


直己は、佳奈を抱きしめたまま話し出した。

「一人でベンチでパンかじってたら、佳奈さん、声かけてくれたじゃん」

「ああ、そうだったね」

佳奈は、懐かしく思い出す。

所在なさげに座っている姿に、なんだか放っておけなくなった。

「新入生?って聞いてくれて。わからないことあったら何でも聞いてねって」


「うん、可愛かったんだよねえ、あの頃の直己」

クスクスと佳奈は思い出し笑いをする。

「俺、すげー嬉しくて、素敵なお姉さんだなあ!って」

「あはは!なんか、洗脳したみたいじゃん」

佳奈は、笑いながら言った。

「あー、そうかも!俺、洗脳されちゃったんだ。あの時」

直己は、楽しそうに言った。




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