傷ついてもいい
「なんか懐かしいなあ」

直己は、佳奈が鍵を開けるのを宝箱を開ける子供みたいな顔で待っている。

「なんも変わってないし、そんな期待しないでよね」

佳奈は、笑った。

「そんなんじゃないよ」

直己は、佳奈がドアを開けると嬉しそうに中に入ってきた。

「忘れものってなに?あ、DVDとか?それはチェックしてなかったかも」

佳奈がそう言いながら玄関の灯りを点けると、直己は、後ろから佳奈をそっと抱きしめた。

「え….直己?どうしたの?」

「佳奈さんのこと、抱くの忘れちゃったんだ…」

「…」

ドクンドクン…

心臓が激しく鳴り出す。

佳奈は、どう言っていいのか分からなくなった。
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