もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

「おーい。眠り姫。王子様はいないけど、起きる時間だよ」



耳元で繰り返される、その台詞が完璧に理解できるくらい目は覚めたけど、まだ目を開きたくはない。



出来ることなら、もう一眠り……



って無理だよな。



「おーい。眠り姫。王子様はいないけど、起きる時間だよ」




繰り返される台詞に仕方なく、体を起こして目を開けた。



「純麗、おはよっ」



憎らしいほどの笑顔が視界いっぱいに広がる。



「おはよ」



「声、低すぎたけど!!オネエかと思った。キャハハハ」



悪気なんてないんだと思う。



だけど、異様なまでのしつこさに、このテンション。



きっと瑠伊を敵にまわすと恐ろしいな。
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