もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
「えっ?何?」
少し前を歩いていた瑠伊が突然振り返る。
「何も言ってないけど」
「溜め息吐かなかった?」
「深呼吸しただけ」
私の隣まで戻ってきた瑠伊は、私の腕に手を絡め
「酸素薄かった?」
なんて、聞いてくる。
酸素が薄くて出るのは、欠伸だった気がするけど……
「眠気ざましに、外の空気を吸い込んだ」
「そっか~行きたいとこってのはね。ウフフ」
私のことは、もうどうでも良くなった瑠伊は自分の話をし始める。
こんな風に、遠慮なく接してくれる瑠伊だから、性格が違っても一緒に居れるのだと思う。