もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
私は人の恋愛には興味がないから、その手の話題は避けて通っているけど、恋愛に興味がないわけではない。
偏差値が低い、この学校が嫌いなわけでも、恋愛命の子達を馬鹿にしているわけでも、ない。
寧ろ……羨ましい。
好きな人と想いが通じ合って、毎日一緒に居られるなんて、幸せだろうな。
私の恋はいつまでたっても一方通行で、想いを伝えることすら出来ないのだから。
そればかりか、誰かにこの恋を話すことさえ許されない。
「ふぅ~」
考えただけで、涙が出そうになる、この想いの行く先などどこにも存在しないんだ。
込み上げる涙を我慢したせいで、喉の奥がキューんと熱くなる。
その熱を冷ますように、ゆっくりと息を吐いた。