もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~
その台詞を言えば、この間のような会話を繰り返すことになる。
あんなこと言われたら、また、何もかもが嫌になってしまう気が……
人としてさえ扱われていないような、あんな言葉はもう聞きたくはない。
なんて言って、ここから立ち去ろうか理由を沢山考えた。
体調が悪くなってきたとか、この後予定があるとか……
けど、そんなことは必要なかったみたいで、私が口を開く前にジュンの携帯がなった。
そして、躊躇することなく、携帯を耳に当てたジュン。
普通、こんな状況だったら、電話に出ないと思う。
私を帰したくないなら尚更……
「はい」
「あぁ」
けど、電話に出たっていうことは、そちらを優先させたってこと。
「わかった」
電話相手と会話を続けるジュンの声を聞きながら、私は部屋を後にした。
良かった。
出口を探しながら、携帯を握り締める。
後ろを気にしながら……
良かったと思ってる。
ジュンに何か言われる前に、こうして解放されて良かったんだ。
そう思っているはずなのに、何故か携帯が振るえ出すのを待っている私。
追い掛けてきてくれるのを待っている私。
ジュンとの契約はなかったことにしよう。
このまま、携帯の番号でも変えてしまえば、もう会わなくてもいい人になる。
ジュンとの繋がりを断ち切るなんて簡単なことなのに……
そう、簡単なことなんだよ。
それなのに……私は……