もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

「みんな似たようなので、どれがジュンかわかんねぇな。おっ!あれじゃないか、あれ!」



違うよ、リュウ。



ポールを砂浜に立てている人はジュンじゃない。



ジュンは……



一人で海を眺めている。



波打ち際に立ち尽くし、ただ真っ直ぐに前を見ている。



そこに、海以外の物が何かあるかのように、切なそうに……



そして、強い眼差しで海を見つめているのが、ジュンだよ。



「あれれ?この間の高校生じゃない?私服を着てると、ますます若く見える!」



吸い込まれるように、ジュンの元へと動いていた足は、突然の大声によって止まる。



「おっ!ミッキー!相変わらずバカ面だな」



「なんだ、リュウかよ!お前には負けるけどな……って、またリュウのかよ?」



私の左横に登場したのは、ジュンに拉致られた時に会った大声男ことミキヤだった。



年上だから、一応ミキヤ君って呼んだ方がいいのかな?



「ミッキーまで、いきなり勘違いかよ!俺はこの子の父親と知り合いなの!今では仕事上の関係?みたいな?」



何が仕事上の関係だよ。



ホントに口が達者な男。



「俺もってことは、ジュンも?」



「そうそう。今日はその誤解を解きに来たわけ」



「なるほど~」



ジュンは割りと無口な方で、話し方だって落ち着いているのに……



なんで、ジュンの周りの奴等はどいつもこいつも、ベラベラ喋るんだ?



聞いてるだけで疲れる。


< 299 / 342 >

この作品をシェア

pagetop