もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

「カラオケでも行きますか!!」



「イエ~イ!!」



2人はノリノリで歩きだした。



こういうのって、いきなりラブホとかに行くもんだと思っていたから、少し拍子抜け。



普通に遊んだりするんだ。



「純麗、行こう」



テンションの高い2人がだいぶ遠くに見えて、出遅れたなんて思いながら、ボーっと立ちすくんでいると、斜め後ろから柔らかい口調で話し掛けられた。



振り向くと、声と同様に柔らかい笑顔が……



その声と笑顔にドキンと心臓が音を鳴らす。



恋に落ちたとか、ときめいたってわけではなくて、驚いたって表現に近いと思う。



男の人をあまり知らない私は、一瞬にして癒されたことに物凄く驚いた。

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