バスボムに、愛を込めて
心臓を銃で撃ち抜かれた――なんてもんじゃない。特大バズーカを至近距離で撃たれたような衝撃があたしを襲った。
一ミリ以下でもなんでもいい。
大好きな本郷さんが、あのクールな本郷さんが、あたしを可愛いって、そう思ってくれたの?
「メシにしよう」
そう言われて、あたしの持ってきたレジャーシートを砂浜に敷いて二人で座った。
あたしはさっきの“可愛い”発言以降使い物にならないから、ほとんどの準備をしてくれたのは本郷さんなのだけど。
「お前さ」
胸が一杯でちっとも箸の進まないあたしに、本郷さんが話しかける。
「こないだ兄貴がいるって言ってたよな」
「あ……はい。四つ上の兄と、二個下の弟がいます」
少しだけギクリとしたのを隠しつつ答えた。
こないだの“兄”は、孝二のことだけど……お兄ちゃんがいるのは嘘じゃない。
「……俺にも年子の兄貴がいるんだ。で、ここはよく二人で遊んだ思い出の場所」
おにぎりやサンドイッチを早々に食べ終えた本郷さんは、ゴミをまとめたビニールをきゅ、と縛り、昔を懐かしむように言った。
本郷さんのお兄さん……ってことは、きっとまたすごいイケメンなんだろうなぁ。
「今でも、たまに会ったりするんですか?」