バスボムに、愛を込めて
あたしたちはその後も下らない話をしたり、砂に文字や絵を描いて遊んだりした。
あたしがせっかく描いた二人の相合い傘を、波にさらわれるより先に本郷さんが意地悪く足で消してしまったり。
川端ギツネや、寧々さんの怒った顔をかなりデフォルメして描いた似顔絵を、“休み明けに本人に見せてやろう”とスマホで撮ろうとする本郷さんを必死で阻止したり。
もう、とにかく何もかもが楽しくて――。
「……そろそろ、日が暮れますね」
「そうだな……」
正直、目一杯遊んだ体は疲れているけど……“帰りましょうか”と自分からは言い出したくなくて、卵の黄身みたいな色をした夕陽が海に飲み込まれていくのをただ見ているあたし。
だけど、そろそろタイムリミットだよね……
完全に暗くなる前にバスに乗って、駅から電車に乗り換えたら本郷さんとはすぐにお別れだ。
砂まみれのこの格好じゃ、ご飯を食べに行く――って感じでもないし。