Re : Birthday
時計台の、色褪せた煉瓦に、薔薇の蔦が絡んでいない、剥き出しのところに、近くにあった石で日付を刻んだ。
上出来だ。記念を彩るのに、ふさわしい。
「これで、忘れないだろう」
「…お前は、よくわからない奴だな」
蒼いマフラーから、口角の上がった唇を出した少年は、とても無防備な表情を見せた。ああ、綺麗だ。美しい、いろとかたちをしている。
この日のように。
「10年後も50年後も100年後も、その先も」
「……俺そんなに生きてない」
「君なら何1000年も生き続けそうだ」
「冗談じゃない」