Re : Birthday
だって君は、人間がどうかも分からないのだから。
そう、僕がどんなに近い未来、いなくなってしまっても。たとえ時が経っても、君は今日のことを忘れきれずに、微かな今日の匂いを思い浮かべるんだ。
再び君が、独りになったら、どのくらい淋しさを感じるのだろう。
君を見捨てて、この世界に置き去りにしたら。
もうすっかり僕の瞳の奥に焼き付いてしまった儚くて綺麗なその姿で、情景に融け出しそうな美しい形で、君はまた、迷子になるんだ。
こんな日を忘れられず、また古びた時計台に辿り着いて、君は探し始めるんだ。
「誕生日、おめでとう」
END.