情熱効果あり
でも、これから喋らなければ、何とかなる?


「麻衣。大丈夫?」


「んー」


喋らなくなった私を本気で心配してくれる。少し申し訳ない気分になるけど、今日はいろんなことがあったから、もう何もしないで寝たいのだ。


哲志先輩の腕にしがみついたままで、部屋に戻った。


「麻衣。こっちを向いて」


部屋に入ってすぐに呼ばれたから、何も考えないで顔を上げた。


「ん?んー、ん!」


哲志先輩の表情を確認する間もなく、キスをされた。油断してしまった。

でも、気持ち良いかから、抵抗なんてしない。酔っているせいもあって、どんどん気持ち良くなる。

背中と腰に腕を回され、グッと引き寄せられた。ピッタリとくっ付くから、心臓の音が伝わってくる。


きっと私の心臓の音も伝わっている。一向に離れる気配のない唇を味わう自分が恥ずかしくなる。
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