あの人は俺たちの兄だった。


「ホームルーム始めるぞー」


先生のその一言で今日で最後になるホームルームが始まった
連絡を適当に済ませた先生は俺に目を向けた


「朝連絡したように神代が今日でここを去ることになる。
神代、最後にみんなに挨拶を」


そういわれて俺は席を立つ

前に立てば教室中に緊張がはしる


「今日までお世話になりました。
あんたらには散々な目にあわされたけど、それも今日で終わり。
はっきり言って清々します。
今後はどうぞ、俺みたいなのがいても平等に扱ってくださいね?
それじゃ、またいつか会えることを」


嫌味のようにそういって俺は席に着いた

別に俺は仕返しなんてしようとは思わない

でも、最後だ。嫌味くらいは言いたくもなる

これからこの学校がましになってくれればと思う


「そ、それじゃ、ホームルームは終わる」


誰かが号令をかけ、みんなが挨拶をする
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