あの人は俺たちの兄だった。

俺は教科書一式を持って校門に向かう

さっき窓から見た時にもう兄さんが来てたから急がないと

後ろからは何も言わずに先生がついてくる

最後だから見送りでもするんだろう


「ごめん、兄さんお待たせ」

「梓もすごい荷物だな」


兄さんはははっと笑いながら俺の抱える荷物を持って車に積んだ

いち早く終わっていた葎はにこやかにこっちを見ている

辺りを見れば帰りゆく生徒がちらちらとこっちを見たりしている

そして、俺の担任、葎の担任、教頭、校長の四人が立っていた

< 67 / 73 >

この作品をシェア

pagetop