あの人は俺たちの兄だった。
俺は教科書一式を持って校門に向かう
さっき窓から見た時にもう兄さんが来てたから急がないと
後ろからは何も言わずに先生がついてくる
最後だから見送りでもするんだろう
「ごめん、兄さんお待たせ」
「梓もすごい荷物だな」
兄さんはははっと笑いながら俺の抱える荷物を持って車に積んだ
いち早く終わっていた葎はにこやかにこっちを見ている
辺りを見れば帰りゆく生徒がちらちらとこっちを見たりしている
そして、俺の担任、葎の担任、教頭、校長の四人が立っていた