キミと奏でる恋模様。





「……」




「……」




「あ、あのっ…」




沈黙に耐えきれなくなったアリスが声をかける。




「何?」




「……いえ、何でもありません…すみません…」




話すことがない…

アリスはこの沈黙をどうすればいいか考えていた。




男の顔を見上げる。




よくよく見るととても整った顔立ちをしていることに気づいた。




黒い髪がさらさらと風に揺れる。
瞳は黒曜石のようで吸い込まれそうになる。




「…何?」




アリスが男を見つめてることに気づいたのか訝しげに言った。




「あ、えっと、その、すみませんっ!綺麗な瞳だなぁって思って…」




「……あんたの碧い眼のほうが綺麗だと思うけど」




顔に熱が集まっていくような気がした。
まわりから見たらアリスの顔は真っ赤に見えているであろう。




「そう、ですか…?ありがとうございます」




どう反応して良いのかわからず、アリスはペコっと一礼した。




< 11 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop