キミと奏でる恋模様。
「……」
「……」
「あ、あのっ…」
沈黙に耐えきれなくなったアリスが声をかける。
「何?」
「……いえ、何でもありません…すみません…」
話すことがない…
アリスはこの沈黙をどうすればいいか考えていた。
男の顔を見上げる。
よくよく見るととても整った顔立ちをしていることに気づいた。
黒い髪がさらさらと風に揺れる。
瞳は黒曜石のようで吸い込まれそうになる。
「…何?」
アリスが男を見つめてることに気づいたのか訝しげに言った。
「あ、えっと、その、すみませんっ!綺麗な瞳だなぁって思って…」
「……あんたの碧い眼のほうが綺麗だと思うけど」
顔に熱が集まっていくような気がした。
まわりから見たらアリスの顔は真っ赤に見えているであろう。
「そう、ですか…?ありがとうございます」
どう反応して良いのかわからず、アリスはペコっと一礼した。