過去の想いにとらわれた主人公。
そんな彼女に想いを寄せる彼。過去の想いとこれからの想い。
もっと、過去の気持ちに主人公がとらわれるかと思ったが、前向きな彼女にすっきりと気持ちで読めました。

主人公はごく普通なのに、ご主人が変わっているため、本来ならシリアスな場面でも、なぜかコミカルに。

突拍子のないやり取りがとても面白かったです。

政略結婚。
お互いに、そのことを理解した上での結婚。そこから、ゆっくりとお互いのことを知っていくことで関係が作られていく。
関係が作られることに喜び感じるのと同時に、お互い今までは気にならなかったことが気になる姿は、２人が想いあっていくことと共に複雑になっていき、その流れがとても丁寧に書かれていて、すごくよくわかりました。

主人公は知らないが、昔から見守ってくれている存在。始めは、ただ助けたい気持ちだけだったかもしれない。でも、そんな２人がお互いに惹かれていくのは、当たり前のこと。
複雑な家庭環境にいる２人が、幸せになっていく姿はとても良かったです。

いつも運が悪い方へと向かっている主人公。その運気を変えたいと思っていながらも、悪い運気を引き寄せては諦めていた。そんな彼女が彼と出会ったことにより、運命が変わっていく。
ビクビクしながらも、変わりつつある運命に乗りながらも完全には乗り切れない主人公。だけど、そんな彼女が悩みながらも、少しずつ変わろうとしている姿は応援したくなりました。

どうしても認めてもらえないため、強行突破をした主人公たち。ここから、何かが変わると思った途端の悲しい現実。
主人公の運命が180度変わる展開と、先の読めない二人の関係。泥沼のストーリーになるかとドキドキしていましたが、お互いに一途な二人に純愛なストーリーとなっていました。

建前や理想から、打算で結婚した主人公。もちろん、そこには相手への好意もあったのだが、幸せになれると思った途端にどん底に。
関係ゼロから、ゆっくりと関係を構築していくストーリー。その過程の主人公の奮闘ぶりが面白かったです。

容姿はいいが、女性関係には難のある彼。
そして、同じく容姿はいいが、愛嬌のない主人公。彼が彼女を落とす為に近づいたことで、今まで見えていなかったお互いの姿が見えてくる。
pinoriさんの書かれている作品は、いつもそれぞれのキャラクターの感情が丁寧に書かれていて、それはこの作品でも健在でした。
複雑なそれぞれの心の機微が見事で、読めば読むほど作品に惹き込まれていきました。

まさしく、題名の通り、甘い溺愛のラブストーリーでした。ですが、それだけではなく、主人公の過去の恋愛からの心の傷。その過去の恋愛に巻き込まれながらも、そのことで前向きになっていく主人公。
真っ直ぐな彼女と、強引だけど頼りがいのある彼、２人の恋の進み方がとても素敵な作品でした。

強引な突然の提案。
それが、前から知っていたとか気になっていたとかなく、全くのゼロからの契約の提案なのが、新鮮でした。だからこそ、二人の関係の構築や脆さが如実に現れており、どのようになっていくのか先が、読めませんでした。

結婚するはずからの大転落。そんな中で、訪れた転機。
主人公が、ただのいい人というわけではなく、人としての打算やずる賢さ。また、卑屈さなどが備わっていることが、現実にいるような等身大の女の人に見えた。だから、主人公に全て感情移入はできないけど、それでも何度も痛い目にあってしまう彼女をいつの間にか応援していた自分に驚きながらも、ストーリーに引き込まれていきました。

運命的な出会いは、再会が続くことで必然の出会いとなる。
宇佐木さんの作品は、キャラクターの感情の変化がいつも丁寧で、思わずストーリーに引き込まれてしまう。今回もそれは例外ではなく、２人の感情の変化と少しずつ惹かれあっていく姿が心を掴まれました。

一見、普通のラブストーリーのように思える。だけど、その奥に隠された２人の想いがロマンチックでそれがストーリーに彩りを与えているように思えました。
私はとても好きな展開のラブストーリーなので、最後まで楽しく読めました。

始まりからすれ違いの連続でした。
憧れの人との関係。近づいたかと思ったものの彼の行動からは、彼女への想いが窺えるものの、言葉や周囲からの噂では、その行動もよくわからない。
それは、主人公はもちろんだろうけど、読んでいる私もヤキモキさせられました。

どん底に沈んでいた主人公。だけど、そこから主人公の運命は動いていく。

強引な彼の包囲網に晒されながら、実は守ってもらっている彼女。傷ついた彼女が彼とその弟に振り回されながらも前向きになっていく姿は、素直によかったと思えました。

まるで、ドラマを見ているような感じでした。
期間が決められていたこともあり、その想いも伝え方も情熱的で、それがより一層、ストーリーにドラマチックさをプラスしていたように思えました。

契約結婚から始まった二人の関係。だけど、このお話は少し違います。
上司と部下という関係から始まった二人の関係なので、ゆっくりと恋を進めるだけではなく、会社内での陰謀なども織り交ぜられ、とても読み応えがありました。

3年前に別れた元カレ。最低な相手であったのに、なぜか忘れられない。そんな時、再会した彼。
惹かれてはいけないとわかっていながらも、惹かれてしまう気持ち。
過去と現在が交差しながら書かれているストーリーが、より主人公と元カレの気持ちがわかり、とてもよかったです。

長い間付き合っていた彼氏に振られてしまった主人公。それも、なんとも複雑な理由に気持ちの持っていきようがない。そんな自棄酒中の中で出会った男。最悪な出会いから、なぜかアタックされる展開に、意味がわからない主人公。だけど、そのことが彼女の気持ちを軽くされていたりと、一見、強引な彼の行動が彼女にとっては、実はいい方向に向かっていたりと、素敵な関係性がよかったです。

一度壊れた恋だから、想いが残っていても、素直に前に進むことができない。
それはお互いでありながらも、気持ちが繋がっても別れた時の不安が襲ってきたりと、一筋縄ではいかない。
二人の切ない気持ちがよく伝わる素敵な作品でした。