吸血鬼少女と孤独な少年〜魔法学園編〜
♢2 Magic wand♢

Sクラスメンバー



昨日夜、お父様からホールに集まるようにと言われた



私の処遇が決まったらしく、ローズ先生から詳しい話をしてもらえるらしい





「...全然、寝られなかったな」





思わずそんな独り言をこぼしてしまう





今までにない衝動を感じてしまい、南雲君を傷つけてしまった行為のせい





その事実が心にのしかかってくる




...こんな気持ちになるのは初めてで、
どうしたら良いのか分からない




ただ、今はこのどうしようもない思いを全てぶちまけてしまいたかった





今日から学園生活がはじまるけど、正直言ってどうでもいい




そうだ...私は混血種を見つけ出し、殺すためにこの学園に来た




自分の目的を思い出して、見失っていた心を取り戻す



『目的のためだけに動け。余計なことは全て忘れろ』




そう自己暗示をかけながら、ホールに続く重たい扉を開ける




ガラガラと音を立てながら中に入ると、
見覚えの人物がそこにはいた



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