喫茶の謎解き意地悪紳士2


「くーだらなーい。言い伝えなんか信じるとは、君はやっぱりバカだな!」

「なっ……。夢くらい見たっていいじゃないですか!!おまじないとか、占いとか、言い伝えとか!ロマンチックで私は好きです」

「おまじないでこの先の未来を決められたら、どんなに楽だろうなー。占いで自分の将来が決まるわけないだろ。言い伝えなんか信じる方がバカなんだよ。愚かだなー」

叶亜が早口にまくしたてた。

まったく、この人は……。

「夢、ないですね」

「夢なんか見てたら、いつか夢に捨てられるからな。捨てられるなら、最初から夢なんて見なければいい」

そう言った叶亜の顔が、どこか哀しくて切なかった。

なんでそんな寂しいことを言うんだろう?

< 53 / 203 >

この作品をシェア

pagetop