喫茶の謎解き意地悪紳士2


それ以上、叶亜の哀しい顔が見たくなくて、詩音は「そういえば……」と話題を変えた。

「猫田教授の話……。本当なんですかね?」

「ああ。嫉妬に狂った正反対の女どもの話か」

もっとマシな表現の仕方はないのか。

思いはしたが、また口に出すと100倍にして返ってくる。

詩音は無視して話を続けた。

「……葵が暴走族と絡んでるなんて聞いたことないし……。それに、あの二人は親友でっ……」

「憎む相手が親友ねぇ」

叶亜が橋の下をのぞきながら言った。


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