溺愛伯爵さまが離してくれません!

忘れられない想い

馬車に揺られる事2時間余り。
ようやく実家のある町へと着きました。

のどかで少し寂れた小さな町、リュウム。
私はここで生まれ育ったのです。

町の入り口で馬車を降りると、家のある場所までゆっくりと歩いていきます。

前に帰ったのは、約2年前。
良くも悪くも町は変わってはおりませんでした。

家に着くまで、ずっと考えるのは伯爵さまの事。
あの笑みが忘れられなくて。

・・・決意したはずなのに。
私の心は未だゆらゆらと揺れています。


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