出会ったのは七年前。
私は彼の『妹』になった。
すでに十八歳だった私は、今さら『兄』ができたからといって、何かが変わるわけでもなく
兄妹の愛情なんてもちろんないし
共有する思い出もない
流れている血液でさえも違うのだから
限りなく『他人』に近い『家族』。
それは彼にとっても同じことで
だからお互い興味を持つこともなく、別々の人生を歩んできた。
この距離感がずっと続くと思っていた。
二人の間に
そばにいなければならない『理由』が生まれるまでは。
【2015/12/29 公開】
【2016/02/27 完結】