俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
4、小悪魔に翻弄されるー直人side
「直人さん、私酔っちゃったみたい。送って行ってくれませんか?」
大塚さんが俺の胸にしだれかかる。
相手は取引先の社長令嬢。
社長である父に頼まれてうちの課で引き取ったが、あることないこと周りの社員に彼女が吹聴して回って困っている。
同じ課にいる同期の石田の話では、俺の婚約者だと言っているとか。
専務をしている兄の代わりに彼女と一度食事をしただけなのだが、俺も厄介な女に好かれたものだ。
しかも、仕事を全部桜井に押しつけ、お喋りばかりしているらしい。
『黒崎君、あの社長令嬢なんとかしてよ!全然仕事しないし、黒崎君の婚約者だって言って業務中もあんたとの自慢話ばかりするのよ。そのせいで優衣が毎朝早出して仕事してるの』
早出……というところが桜井らしい。
残業と違って早出なら俺の目につかないと思ったのだろう。
彼女は責任感が強い。
それだけに、自分の仕事にプライドを持っている。
出来ない女と俺に思われたくなかったのだ。
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